30 それこそが、真実/アズカバンの囚人

しばらくしてトレローニー先生がやってきた。素直に一緒に食事をとりたかった・・・そう言えばいいのにと心の中でぼやいた名前 であった。
食事中、トレローニーがリーマスのことをあーだこーだ言うせいで『1000の種類の生物の1000の言葉』の67章が頭に入っていかない。この本は過去の世界でセブルスからプレゼントとしてもらったものだった。
今マーミッシュ語を覚えているところなのだ。マーミッシュ語は少し厄介で、覚えづらい言語なのに・・・・・・

「あなたたち!どちらが先に席を離れましたの?どちらが?」

ハリー達と名前 が同時に立ち上がったとき、トレローニーが悲鳴をあげた。どうせろくなことじゃないだろう・・・

『まったくもって、くだらない』

トレローニーのせいで覚えたマーミッシュ語が頭から抜けてしまったので、見せしめにマーミッシュ語でトレローニーに言い放ってやった。当然、トレローニーはぽかーんと間抜けに口を空けていたし、知らない言語を喋った名前 にハリー達も驚いていた。
ただ1人、ダンブルドアだけはにこやかに微笑んでいたが―――

調理室へ向かうために広間を出た時、ハリー達と少しばかり話をした。ハリーにファイアボルトが贈られてきたことや、ロンのネズミがハーマイオニーの猫に狙われているという事などなど。しかしここで何かが引っかかった。

―――ピーターのアニメ―ガスは確か・・・

確か、ネズミである。いくら猫でもたった一匹のネズミをずっと狙っているなんて・・・何かおかしいと思った。やはりロンのネズミは・・・・・・

「とりあえず、チキンをたくさん詰め込んで欲しい。ラム酒もつけておいてくれ」

屋敷僕に言うと瞳を輝かせて我先にとラム酒やらをもってきてくれた。ものすごい量だったので、魔法で浮かせてもっていく事にした。森へ足を踏み入れたとたん、匂いに誘われてシリウスが尻尾をふって現れた。

――――シリウスの犬化について今後触れないようにしておこう(4回目)

「・・・」

名前 は猛烈な勢いでチキンを胃にかき込んでいくシリウスを唖然と見つめていた。

「ハリーにファイアボルトを贈ったんだな。今日ハリーが嬉しそうに話してきた」

「―――そうか!」

シリウスは本当に嬉しそうだ。

「それと・・・ドレスローブ、ありがとう。どうやって買ったかは聞かないでおく」

「気に入ってくれてなによりだ。それにファイアボルトを名前 の名前で通販させてもらったんだ・・・恩に切るぜ」

ドレスローブをどうやって買ったかは知らないが、とりあえず頭のいいシリウスが頭のいい方法で購入したに違いない。

「・・・カードは入れなかったのか?」

「あっ・・・」

シリウスは間抜けな声を出した。

「・・・まぁ入れないで正解だったな。入れていたら今ごろ大変だぞ」

確かにカードを入れなくて正解だったのかもしれない。しかし恐らくあの箒は今ごろマクゴナガルに没収されて分解されるなりなんなりしている頃だろう。ダンブルドアは勘がいいからその箒がシリウスからのだと気付いているはずだ

「リーマスはお前を疑っている」

「・・・そうか」

急に話を変えると、シリウスはラム酒をぐびっと飲んだ。

「・・・弁解しなくてはならない。真実を少しリーマスに伝えておく・・・・・・だが必ず最後はお前の口から言うんだぞ」

「ありがとうな、名前 」

そしてあっという間にクリスマスは終わりを迎えた。
次の日、名前 は母方のレーガン家のことについて何か本に載っていないか、朝からずっと図書室でこもっていた。ひたすらレーガン家のことについて何か載っていないかと調べた末、ようやく一冊の本を見つけ出す事が出来た。
タイトルは『スリザリン家とその末裔』だ。恐らくこれになら載っているだろう・・・

―――405ページ・・・S・レーガン、あった・・・・・・

ようやくレーガン家が載っている本を見つけ出した。これを見つけるのに朝から夕方まで潰してしまったのだ。せっかくの休暇を潰したのだからその分の見返りは欲しいものだ

スリザリンの血を引く者の末裔の中で、ゴーント家と並ぶ魔力を持つのがレーガン家。中世からずっとレーガン家とゴーント家同士で結婚させ、子孫を残して来 たが稀に、血が濃すぎて特殊な力を持って生まれる子供がいた。魔力も格別に高く、時空を越える力を持ち、スリザリンの血を引く者を滅ぼす力を持っている。 彼らはこの異端児を『時渡り人』と称し恐れ、生まれた後すぐに殺した。稀に家族の希望で生き残る『時渡り人』がいるが、人数は不明。

「・・・アル」

歴代の時渡り人の名前が記されてないか探したが、見つからなかった。やはり先代の時渡り人が誰だったのかを調べる事は難しいのであろうか・・・。それに蛇に変身してしまう事などは一切書かれておらず、眉間に皺を寄せてため息を吐いた。

「父上に聞くしかない」

結局、レーガン家と結婚しているセブルスならばいくらかは知っているはずだ。そう思い早速セブルスの私室へ向かう。

「・・・父上、失礼します」

「名前 か。入れ」

此処の部屋はいつも同じ匂いだった。名前 は幼い頃から嗅いでいるこの匂いが大好きだった。

「レーガン家について、教えていただけますか」

「・・・何処まで知った」

「時渡り人辺りまでです・・・」

「・・・そうか。我輩が知っているのは先代の時渡り人はレーガン家の者では無いということだけだ」

「・・・・・・」

とりあえずレーガン家出身ではないという事はわかった分、いい方だろう。何故ゴーント家以上に記述が少ないのか不思議に思っていたが、とりあえずその事についてはまた今度考えることにした

「ありがとうございます父上」

「・・・いや、我輩も実はあまり知らないのだ。力になれなくてすまない」

「いいえ、そんなことはありません」

セブルスは名前 が倒れている間、名前 の精神が過去の世界へ行っていたことをダンブルドアから教えてもらっている。勿論名前 がアルと仲が良かったのも知っているし、過去の世界へ行ってしまったのも先代の時渡り人が原因だということも教えてもらっている。

セブルスも先代の時渡り人のことについて調べたのか、私室には純血家について記された本がいくつか置いてあった。何も言わないでそこまでやってくれるのは流石父親だった
不器用ながらも父親の務めをしっかりと果たしているのだ。名前 はそんなセブルスに改めて尊敬した

「・・・父上は、ピーター・ペティグリューを知っていますか?」

息子の口からピーターの名前が出てきた事にセブルスは驚いたが、過去の世界へ行っていたことを思い出して納得した

「・・・あぁ、あの空気のような男か。そいつがどうかしたか」

「・・・もし、ピーター・ペティグリューが生きていたらどうしますか」

「―――奴はシリウス・ブラックによって殺された」

「・・・そうですよね」

これが一般回答だ。誰しもが名前 のようにシリウスを信じれる訳が無いのだ。セブルスは妙な質問をしてくる息子を不思議に見つめた
「・・・何かあったのか?」

「いいえ、何でも無いです。では失礼します」

セブルスは終始、息子を心配そうな目で見ていた。
セブルスの私室を出て行った後、昨日のことを話すべくリーマスの私室のへと向かったが、扉で立ち止まってしまった。今ごろ脱狼薬で体がぼろぼろになっている頃だろう。あれの副作用は尋常ではない――――・・・

それにリーマスは今ごろ眠っているに違いない。今行くのはあまりにも悪い気がしたので寮へと引き返してしまった。寮でやることと言えばベッドに寝転がって、心を落ち着かせて過去の世界で起きた出来事などを整理することぐらいだ。
きっとこの中に何かが隠されているに違いない。

――――あの時、アルは確かアリスには秘密があるって言っていた・・・・・・弟がいることだけではないのだろうか?結局何も聞けず此方の世界へ戻ってきてしまったが―――・・・。

また、驚く事にアリスのことを思い出しても苦しんだりすることはなくなっていた。それだけ心の整理がついたという事なのだろう。一歩一歩、確実に前進していくのが分かる

「・・・母上、アル、マリシア叔母様・・・」

ん?マリシア叔母様・・・・・・思えば過去の世界で一度もマリシア叔母様に会っていなかった。あの優しい叔母は母が死んでからも唯一母を感じられる人だった。しかし母親が死んでまもなく、マリシアも急死してしまったのだった。死因は未だにわかっていない。
あの時、レーガン家が滅んだ時から名前 の左眼は死を予兆することができ、そのたびに瞳は真っ赤になっていた。そして満月の夜、白い大蛇に変身するのだった。変身する時に必ず女性の声が聞こえてきて――――――――しかし何故あの時からなのだろうか・・・
名前 は昔からこの事を疑問に思っていた。何故レーガン家が滅ぶと同時に名前 の体質は変わってしまったのか。何故死を予兆できるようになったのか・・・あの女性の声は誰のものなのだろうか―――――

謎は深まるばかりだった。狼人間が狼に変身するのと同じく、名前 もまた蛇人間と呼ばれる者なのだろうか。しかし蛇人間だなんて聞いた事がない。ヴォルデモート卿みたいで実に不快だ。合図のようにあの女性の声が聞こえてくるのだ。ひたすら女性は「未来を変えて」と叫んでいる。未来を変える・・・?一体何から・・・?

結局今年のクリスマスは悩み事で終わってしまった。休暇が終わった日、名前 がプレゼントに贈ったローブを身に纏ったリーマスとであったが、大分体力を消耗しており、流石にまだシリウスの話は出来ないなと思い断念した。
その後であったハリー達からはファイアボルトがマクゴナガルに没収されたという愚痴を散々聞かされた。やはりハーマイオニーなら気付くと思っていたが・・・

「名前 、君・・・喋れるようになったんだね」

ドラコが急激な名前 の変化に驚いていた。それもそうだろう、ついこの間まではハリー達を極力避け、声すら出なかったのだから
今の名前 はハリー達とも話し掛けられれば普通に会話しているし、表情にも大分余裕がみられる

「あぁ・・・すまなかった」

「いいや、親友として当たり前のことをしたまでだよ。それより父上が君のことを大いに気にしていらっしゃったけれど・・・一体何をしたんだ?」

「―――きっと気のせいだ」

正直ギクリとしたが、いつものポーカーフェイスを装ってごまかした。

「ふーん・・・まぁそれならいいけど。」

話はそこで幸い逸れたが、次にドラコは意気揚揚とビックバークが処刑になる話をし始めた。名前 は知っていたが至って知らなかったというような返事をしておいた。
相変わらず外は寒く、外に出ようとする生徒は少なかったのでシリウスに食事を持っていく事には苦労しなかった。
今日はサンドイッチとサラダとリンゴを持っていってやった。シリウスの胃袋は相変わらず底なしで、あっという間に平らげてしまった。 「名前 がいて本当に助かっている・・・ありがとうな」

「・・・いや、気にするな」

「―――そういや、リーマスにはもう話したのか・・・?」

「・・・リーマスは人狼薬の副作用でぼろぼろだ・・・。それに最近は忙しいようだ、だから・・・話せていない」

最近はハリーにパトローナスを教えているらしく、忙しそうだ。第一この話はあまりにも重要なので心も落ち着いて余裕のあるときにしか話せない話だろう。名前 は話すタイミグをなかなか掴めずにいるのだ

「そっか・・・いや、そこまで名前 にしてもらうのも悪いからな・・・・・・この事は俺がどうにかする。」

「・・・でも平気なのか?」

「あぁ、名前 だって学生なんだからよ・・・やりたいことだってあるだろうしな。俺の問題は俺が解決するさ・・・。」

「・・・僕も出来る限りは手伝おう。」

「・・・悪いな」

20年以上の歳月を過ぎた友人の背中は、変貌し、悲しみと復讐に満ち溢れていた。名前 はどうにかしてシリウスを救ってやりたかった。何故ここまで救いたいと思うのかは分からなかったが、胸の中から決意が湧いてくるのだ。
―――まるで誰かの感情が入ってきているかのように
今、ハリーはディメンターに変身したボガートと対峙していた。呪文を唱えるがどうしても失敗してしまう――――恐怖に負けてしまうのだった

「エクスペクト・パトローナム!エクスペクト――――――」

白い霧がハリーの感覚を朦朧とさせ、大きなぼんやりとした姿がいくつもハリーの周りを動いている・・・・・・・そして、初めて聞く声、男の声が引きつったように叫んでいる――――あの女性の声も聞こえてくる・・・

『リリー、ハリーを連れて逃げろ!あいつだ!行くんだ!早く!僕が食い止める―――』

誰かが部屋からよろめきながら出て行く音。ドアが破壊音される音と同時に甲高い笑い声が響き―――――――

『っく、来るな!妻と息子は誰にも渡さない―――!』

『・・・ふうん、あんたがポッターなんだ。あたしは―――だよ・・・』

女性の声は、まるで先を見通しているかのようなものだった。しかし何故か名前のところだけ音が途絶えるのだ――――そして現実に戻ってくる

「ハリー!ハリー・・・しっかり・・・・・・・・」

リーマスがハリーの顔をピシャピシャと叩いた。

「父さんの声が聞こえた・・・あの女の人の声も―――父さんの声は初めて聞いた―――母さんが逃げる時間を作るのに、1人でヴォルデモートと対決しようとしていたんだ・・・・・・それで、あの女の人が来て―――――」

ハリーは突然冷や汗に混じって涙が顔を伝うのに気付いた。ハリーはできるだけ顔を低くして、靴の紐を結んでいるふりをしながら、涙をローブで拭いごまかした

「―――ジェームズ達の声を聞いたのかい?」

「はい、でも先生は僕の父をご存知無い、でしょう?」

「わ―――わたしは、実は知っている。ホグワーツでは友達だった。さぁハリー、今夜はこのくらいでやめよう」

リーマスはハリーの言う女の人の声をリリーの声だと勘違いしていた。あの声はリリー・エンバスの声では決して無い・・・・その声は――――

ハリーはその後パトローナスを成功させ、個人授業を終えた後も、あの声のことについて考えていた。両親の声を聞いた事がなかったハリーだが、あの女性の声だけは随分聞き覚えるのある声だと思っていた。一体あの声は――――誰なのだろうか

そして月日はあっという間に2月になった。
ハリーは個人授業とクィディッチの忙しさで一晩で1週間分の宿題をしなくてはならなくて、名前 によく宿題を手伝ってもらっていた。ハーマイオニーが見たら怒るだろうと思ったが、ハーマイオニーはそれどころではなく、自分の宿題をやるのに必死だった。談話室で煩くするとハーマイオニーが怒るのだという
それに最悪な事に、未だにファイアボルトをマクゴナガルが返してくれないのだという

「―――頑張れ、としか僕はいえないが・・・」

「・・・いや、ありがとう名前 。君がいるおかげで大分宿題もはかどるよ・・・」

名前 がいなければ今ごろハリーは死んでいただろう。

「君、一体どうやってパトローナスを成功させたんだい?」

「・・・僕にも分からない。ただ2週間パトローナス関係の本をずっと全部読み、その後3日間リーマスに実践してもらったくらいだったからな・・・・・・」

名前 は努力したからこそできたとリーマスに言われていたハリーだが、2週間本を読んだだけで普通の人間がパトローナスを使いこなすまで成長できるだろうか。やはりハリーにとって名前 は”天才”だった。

「・・・そうだ、まだハリーには話した事が無かったことがあったな・・・・・・」

名前 は回りに生徒がいないことを確認し、小声で話し始めた。

「・・・実は満月になると僕は大蛇に変身する。今は薬を飲んでいるから平気だが・・・。しかし原因は未だにわからない・・・本にも蛇に変身する人間の前例など一切載っていない。」

大蛇に変身すると聞いて、一瞬ハリーは驚いたが何故名前 が蛇に変身してしまうのかと不思議に思った。闇の印のせいなのだろうか・・・

「その・・・左腕のせいかな?」

「・・・違うと思う。確かにコレが付けられてから妙に魔力が上がったような気もする。それに女性の声も強くなってきた――――」

「女性の声!?」

ハリーはがばっと立ち上がって驚いた。マダムピンスがじろりと此方を睨んできたが話を続けた

「・・・あぁ。あの女性は僕に『未来を変えろ』とひたすら言ってくる・・・。未だに誰の声かわからない。夢にも出てくる時がある」

「もしかして―――僕が聞いた事ある人の声と同じかも・・・・・・その人の声って、なんか先を見通しているような声――――じゃなかった?」

「・・・あぁ、まったくそのとおりだ」

ハリーは名前 も同じ女性の声を聞いていることに驚いた。しかし何故、名前 とハリーだけあの女性の声を聞く事が出来るのだろうか・・・2人はひじを立てて悩んだ

「誰なんだろうね・・・僕の場合は、ディメンターに近づいた時とかに聞こえる。この前は父さんの声と一緒に聞こえてきたんだ・・・・・・なんだか自己紹介をしていた。だけれども名前のところで途切れちゃうんだ――――なんでだろう」
「・・・分からない」

結局ハリーの宿題は中断され、2人で机に向かって女性の声のことについての会議へと変わった。
しかし考えても考えても答えが見つかることは無く、話は名前 が去年の間、ずっと過去の世界へ行っていた話に変えられた。そこでハリーの父親とであったことや、自分の両親と出会ったこと、自分がスリザリンの血を引く者だということを――――
当初ハリーは驚きのあまり開いた口が閉まらなかった状態だったが、徐々に状況を飲み込めるようになってきた。

「・・・それで、僕の父さんとブラックは・・・・・・親友同士だったの?」

「―――あぁ。」

「そう、なんだ―――・・・じゃあ君も父さんたちと友達だったんだね?」

「ああ・・・強制的にだったがな」

名前 はハリーにジェームズたちの学生時代の話をしてやった。ハリーはすごく喜んでいたし、この話がハリーに話せて嬉しかった。

「・・・ブラックとは友達だったの?」

「・・・・・・そう言えるのだろうな」

「そっか――――」

ハリーは名前 にNOと否定してほしかった。友達だったなんて、答えてほしくなかった――――しかし答えは変わらなかった。名前 はシリウスと友達だったことを一切否定しなかった

「―――もしかして、あのファイアボルトを贈ってくれたのって名前 ・・・・・・?」

「いいや違う。」

シリウスからのプレゼント――――なんて言えるはずがなかった。そして話は名前 の両親の話へと移り変わった

「君のお母さんってどんな人?」

「・・・母上は先ほど説明したレーガン家の長女で、気丈な人だった。」
「それで・・・今は―――?」

ハリーはこの質問をしてはならないと頭の中で思っていたが、ついつい口にでてしまった。言った後にしまったと口を塞いだがすでに遅かった

「―――母上はいない。今日の話はここまでにしよう。ここは図書室だ・・・誰が盗み聴きしていてもおかしくはない」

実際盗み聞きされないようにこっそりと防音の魔法をかけてあったので問題はないのだが、今はこの話から逃れたかった。図書室を出た後、ハリーと目が会って気まずくなったのは言うまでも無い。