この日は、午後から授業が無かった。だからちょうど良かったかもしれない・・・正直、父親に誉められるとは思わなかった。
人通りの少ない廊下を歩いていると、思わぬ人物と遭遇した。
「おっ、おおおおやMr.スネイプ・・・っこっこんなところでどどうしたんですか?」
・・・防衛術の教師、クィレル先生だった。正直僕はこの人の事・・・・・・苦手かもしれない。
「・・・はい、少しスネイプ先生の所へ行っていました。」
「そっそそそうかい、でもっききみは偉いね・・・父親だろうがちゃんと先生としてみていて・・・」
「・・・いいえ、家と学校は違いますし――――ッ!?」
クィレルを見上げたとたん、左眼が痛んだ気がした・・・気のせいだろうか―――
「どっどどうしたんですかMr.スネイプ・・・?」
「いえ・・・何でもありません。少し持病が」
「いっ医務室へつっつつれて行きましょうか?」
「大丈夫です・・・ありがとうございます。先生の方こそ―――いえ、失礼します」
クィレルから1秒でも離れたかった。あの人からは嫌なにおいがする。
母親が死んだ晩だった気がする、この左目がおかしくなったのは。死期が近いものが近付けば、この左目は痛むようになり、代わりに左目の視力が悪化していく。まるで死神の目みたいだ。もし、失明したら自分はどうなるのだろうか。名前は未知の恐怖に身震いする。
母方のほうに原因不明の病があるらしいが、それがどんな病であるかはまだ知らされていない。故に母方の一族はみんな短命だった。この目の変化はそれが原因だと父上がつぶやいていたことを思い出す。
「名前、こんなところで何やってるんだい?」
声をかけられたほうを振り向くとそこにはグリフィンドールの上級生がいた。
「―――リー。」
彼はリー・ジョーダンだ。グリフィンドールの先輩でウィーズリーの双子の兄と仲がいい人だった。授業に移動する時に呼び止められて仲良くなったというおかしな出逢い方をした1人だった。
最初はどうやらスネイプの息子だということに興味を持ったらしく、悪戯をするつもりで声をかけたらしいのだが――――・・・され返されてしまったのだ。それが以来、リーとジョージとフレッドとは特に親交は深いものとなった。しかし、スリザリン生に彼らと話している現場を見つけられるだけですぐさまスリザリングループに無理やり連れ戻されてしまうのだった。だからこうしてゆっくり話すのはずいぶん珍しいものだ
「名前、来週からおまえ達は飛行術が始まるだろ?飛行術はいいぞ・・・スカッとする」
「僕がストレスを溜めているように見えたか?」
「あぁ、見えるとも。いつもどこか暗い表情!不健康そうな顔色・・・!読書が友達!ああ、男たる者日焼けすることなかれ・・・」
「何言ってるんだリー。それよりフレッドとジョージは相変わらず“フィルチ遊び”か?」
「ま、そんなところだね。それに聞いたぞ・・・あいつらの弟と犬猿の仲なんだって?」
リーが面白半分に聞いてきた。
「―――その事か。僕は別に彼を嫌った覚えも無いし悪口を言った覚えも無い」
名前はめずらしく不機嫌な表情で言う。
「ま、所詮11歳じゃあなあ・・・。きっとお前の面白さに気付いていないだけだろ、気付けばきっと向こうからやってくるさ」
「僕が面白いだと?そんなこと言われたの生まれて初めてだ」
まさか、“面白い”なんて言われるなんて・・・・“まじめ”とか“無表情”などとはよく言われるのだが―――グリフィンドール生とはつくづく面白いものだ。だからリー達と一緒にいるとなんだか楽しいのかもしれない
「名前、お前はすげぇ面白いぞ!自分でも気付いてないのか?そりゃぁ面白い!」
大声でリーは笑うとばしばし名前の背中を叩く。
多少痛いものの、心の中が暖かくなるような――――そんな感じだ。
少し矛盾しているのかもしれないがリー達といると嫌なことも忘れてしまいそうだ
「まぁちっと策略家かもしれない・・・流石はスリザリンってなだけあるけど!」
「策略家とは・・・だいぶ誉められたものだ」
「スリザリンらしくないところもあったりスリザリンだったり、ともかく名前は面白いんだ。分かったか?」
「?あ・・・あぁ」
じゃ、そゆこと!とリーは言い放つとグリフィンドール寮へと戻っていった。
スリザリン寮の付近で厄介なことにドラコと遭遇してしまった。相変わらず自慢ばかり話してくる・・・・・・・・よく飽きないな、とある意味尊敬してしまう。こんなドラコなのだが、本当はいい奴なんだ・・・ただそれは自分が許した仲間であって他の生徒達に向けてではない。ドラコは本当に仲間に対してはいい奴だ・・・その仲間も僕を含め数人程度なんだろうけど。
「ドラコ、で・・・その女子がどうしたって?」
「聞いてなかったのか!?つまり、まとわりついてくるんだよ・・・」
「―――所詮、家柄と金目的にやってくるやつは少なくない・・・だろ?」
「あぁ・・・!まったくもってそうだ・・・・・・女子だけじゃない、男子もだ。皆僕に気に入られようと一生懸命でさ・・・でもいいんだ、そいつらを利用するとこまで利用してやるから」
ドラコはにやっと笑うと名前も少し笑った
ドラコの周りに寄り付いてくるやつは大体家柄と金目的―――汚い人間そのものだ。
僕の周りにも少なからずはいる・・・男子にしても、女子にしても。だがドラコ程ではないけど。
「昔からの親友って君ぐらいだろうね」
「―――そうだな。ドラコとは長いよな・・・かれこれ10年くらいか?」
ドラコとは1歳の頃から知り合っていた―――無論、1歳の記憶は覚えて無いのだけれども。
「長いよな、このホグワーツで信頼できるのは名前くらいだ。だが名前!何であんなウィーズリー達と仲良くするんだ!?」
「・・・彼らが面白いからだ、いつも面白い話題を持ってきてくれるし、話をして飽きない。」
「僕はあいつらと一緒に居る時の君を非常に良い方向だとは思えない・・・親友の僕が忠告してるんだぞ?分からないのか?」
・・・ドラコの口からは次から次へと悪口が出てくる。どうやったらそんなに悪口を言えるのか教えていただきたいほどだ・・・
これも日常茶飯事のひとつだ。マルフォイ家の長男でもあるから礼儀作法とか色々と大変なんだろうな・・・ストレス溜まるだろうし。
だからこうしてストレス発散しているのもあるかもしれない友達の悪口を聞いててよく平気だって?そりゃそうだ、人間色々な感性を持っているのだから・・・それくらいは多めに見てやらなくては
「ともかく奴らのそばには寄るな、いいな?!」
「―――その要望YESとは言い難いものだ、残念ながら。とりあえずストレスはすっきりしたか?」
「君と奴らが一緒にいなければね!」
ドラコの愚痴(?)はまだまだ続きそうだ――――
「飛行術だって、ほら見ろよ・・・グリフィンドールと一緒だ―――」
最初に気付いたのは隣にいたドラコだった。
さも不愉快そうな顔をしている―――そりゃそうだ、なんといってもドラコの大嫌いなグリフィンドールと一緒なのだからな
「・・・とりあえず空腹だ、朝食を済ませよう」
名前がそう言うとドラコにクラッブとゴイルか!と痛烈なツッコミをされてしまった。
朝食時も絶え間なく・・・ドラコはデブのグリフィンドール生の思い出し玉を取り上げて面白そうにしていると、それに気付いたハリーとロンが案の定なことに・・・ ―――――その間、名前は何事にも関わらず静かに朝食をしていたとかなんとか
朝食を食べ終えると、ハリー達が傍を通り過ぎた。
・・・どうやらドラコはパンジーと話をしているから此方は見ていないだろう―――
名前はハリーの元へ来ると隣にいたロンの表情が一気に歪む
「・・・ハリー、おはよう」
「あ、名前・・・おはよう!」
ハリーはすごい表情をしているロンを見て苦笑する
「名前・・・今日、飛行術一緒だね」
「あぁそうみたいだな・・・ハリーなら上手に箒を乗りこなすことが出来そうだな」
「そんなことないよ!僕不安で不安で・・・本読んでたんだけど、全然だよ・・・」
ハァとため息をつき苦笑するハリーに、頑張れよと言うとドラコのほうを確認して(此方に気付いていないか)ハリーにハリーの父親のトロフィーの事を教えてあげた
「えっ、僕の父さんが学生時代に取ったトロフィーがあるの!?」
「ああ、職員室のところへ言ってみるといい・・・ジェームズさんはすごい選手だったみたいだぞ」
「へぇ~・・・ありがとう名前!だけど何で名前が知ってるの・・・?僕の父さんのこと・・・」
―――母上はよくジェームズさん達のはなしをしていたのをよく覚えている。
優秀な選手で、ムードメーカーで、名家なのに純血主義が嫌いで、笑顔が腹黒かったりで、おどおどしていたりで・・・ともかく楽しい人たちだったらしい。だけれども、母上が微笑みながら話してくれた・・・あの声が今も耳に残っていて―――
「・・・悪い、失礼する。」
「あ、うん・・・・・・じゃあね」
「あぁ」
ハリーが心配そうにこちらを見ている。
隣ではすごい形相がものすごい形相に変わっていて、何が言いたいのか顔を見ただけですぐ分かったし僕が去った後にハリーに何を言ったのかすぐ分かった・・・
ともかく母親の話はしたくなかった。逃げてるのかもしれないけれど、しばらく逃げていたかったのかもしれない―――自分に甘えているのかもしれない
「おい、名前!先に行くなんて酷いじゃないか!」
ドラコが此方に走ってやってきた。
―――そうか、ドラコがいたことをすっかり忘れていた。申し訳ないことをしてしまった
「ぼーっとしていたみたいだ…」
「大丈夫か?またあのウィーズリーどもに!?」
「いや、違うんだ・・・その・・・・・・・ちょっとな」
その何かを含んだ間の意味を察したドラコは怒りをあらわにさせた
「ポッター達に何か言われたんだろ!?さっき僕が目を離した隙にあいつらがやってきたんだな・・・それで何か言われたんだろ」
正直すごい。伊達に10年は付き合っていないだけあって・・・表情とかですぐ察してくれる
それに、“それ”関係の話は一切ドラコはしなかった―――遠まわしにいう事はあったけど、そんな気遣いが名前にはものすごく嬉しいものだった。
「・・・ドラコ、ありがとうな。大丈夫だ―――ただ僕が己に甘えているだけだ・・・・・・」
「だからあいつらとは関わるなと・・・一体何時になったら君は僕の忠告を素直に聞いてくれる時がやってくるのだろうね?」
「さぁ、きっと何十年も何百年も先だなきっと」
冗談半分に言うと、ドラコはヒステリーちっくに冗談じゃない!と一括。
そして名前とドラコは飛行術の授業へと向かっていくのであった――――――
飛行術の授業はどうにか終わった。名前は基本的に人助けはしないタイプなのでただ見ていただけだったのだが、箒から落ちた少年が少し不安だった。確か、ネビル・ロングボトムとか言っていたな。
あれはかなり高かった気がする・・・落下速度も考えると骨折どころじゃ済まないのだと思うのだが・・・・・・
数十メートルも高いところから落ちたのに、腕の骨折のみで済んだ少年は今は医務室のベッドで横になっている頃だろうか。
箒にかなり拒絶されていたなぁ・・・あそこまで拒絶された人間なんて初めて見た。ある意味貴重な瞬間を見たということか。
「あのロングボトムの間抜けな顔を見たか?」
ドラコだ―――まったく、彼もこりないな。
「黙れマルフォイ」
ウィーズリーが反応した。やっぱり、ここも学習をしないというかなんといおうか・・・・・・このパターンのドラコはスルーするのに限るのだが、それを分からないウィーズリーとハリーはいちいちドラコの一言一言に反応している。これこそ時間の無駄だと何故彼らは気付かないのだろうか?
「ドラコもうよせ、ほら、行くぞ。」
名前が無理やりドラコをその場から退場させるとロンが何か言いたげな目で此方を睨んできた
「君はこいつらの味方なのか!?」
「はぁ…」
結局1時間ほど愚痴を聞いた後にドラコから開放された名前であった。
夕食時、相変わらずドラコはハリー達にちょっかいを出していた・・・そんなにハリーがすきなのか?
「ポッター、最後の食事かい?マグルのところに帰る汽車にはいつ乗るんだい?」
僕はドラコに無理やり連れてこられそうになったが、どうしても空腹なのだと訴えどうにか面倒ごとに巻き込まれずに済んでいた・・・はずだったのだが
ドラコがハリーに決闘を申し付けたのだった。
「僕が介添人をする、お前のは誰だ?」
ウィーズリーが介添人か・・・ドラコはどうするんだろうな、たぶんクラッブかな
そう考えていた時だった。ドラコがくるりと急に名前の方へ向き問題発言をした
「僕の介添人は名前だ。真夜中でいいね?トロフィー室にしよう。いつも鍵があいてるんでね」
――――何だと?今何といった?僕が・・・介添人?冗談じゃない・・・・・・
ハリーとロンがぎょっとして名前を見た。名前は不機嫌極まりない顔をしていた。ドラコがスリザリン席へ戻ってきた時、急に頬にフォークがかすめた
「!!危ないじゃないかッ」
「・・・手元が狂った。それより、何で僕が介添人にならなくてはならないんだ?」
「名前、あれは今だから言うが実は嘘なんだ。・・・あいつらがフィルチにでも捕まればいいなと思ってね、それで退学してくれればいいんだけど」
―――はぁ、つまりそう言う事か。実にドラコらしい考え方だ・・・直接的ではなくあくまでも間接的に・・・それはそれは狡猾なやり方、流石はスリザリンだ。
「それより、相変わらず口を見ただけで何をしゃべっているのか分かるんだな・・・流石だな」
ドラコは関心したように言う。僕は適当にまぁ・・・とでも言ってあしらった
そして、その時間はあっという間にやってきたのだった
無論ドラコはもう夢の中だ、そりゃあそうだ。名前は何故か寝付けず本を読んでいた。
自慢ではないが僕は結構闇の魔術防衛術は得意教科だ。魔法薬学も父上が教授なだけあって得意教科だった。
「あれ、君は…名前・スネイプ?」
―――誰だ?こんな真夜中に……
振り向くと、そこには少しグレーがかった髪色ですらっとした少年が立っていた。
「…そうですが」
「俺は1年生のレイ・フォード。レイって呼んでくれよ」
「僕はその名の通りだ…よろしく」
「よろしく。それより名前、何でそんなところにいるんだ?」
何で急にファーストネームで・・・?まぁいいか
「…眠れなくて。もうすぐ眠ろうと思っていた所だ」
名前はむくっと起きあがると、ひとあくびする
「確かに眠そうだな・・・そうそう、話は変わるけど君ってあのスネイプ教授の息子だよな?」
「・・・あぁ、そうだが―――やはり似てないか?」
これもよく言われることの一つだった。父上とそんなにも似ていないのだろうか・・・?まぁ確かに母上の方に似ているとはよく言われるが・・・だけどこんなにも似ていないと言われるとどこか虚しくなる―――
「いやいや、そう言うことじゃなくてな・・・その、スネイプ教授によろしくって言っといてくれないか?それとMr.マルフォイにも―――」
―――こいつも、ソレ目的で近寄ってくる奴だった・・・
僕の周りには嫌になるほどそういう奴らが群がってくる。正直、虫唾が走る―――お前らの存在意味が分からない。自力で頑張ることだな。
ドラコもかわいそうなもんだ、家が有名だとそういった奴にゴマをすられ家柄を求めてやってこられ・・・だからいつも気が気じゃないんだろうな。それに父上が自分達の寮監だからといって僕にいちいちソレをやらせようとするのは一体どんな根性で言っているのだろう。無論頼まれたことは、“ちゃんと”伝えている―――伝えに行くと必ず父上は不機嫌な表情を浮かべ、ため息をつきその生徒のレポートを減点するのだった。
「あぁ、“伝えておく”」
後でたっぷりドラコの捨て駒になればいいさ。
そう思いながらレイ・フォードと別れた。胸の中にはまたもやもやがかかってくる―――まったく、はた迷惑なものだ。
そして名前は忘れていたのだった――――ハリー達がドラコにハメられたままだということを・・・・・・
朝になると、昨日の夜中の出来事のもやもやがまだ晴れぬままで少しイライラしていた。
「あいつらのまぬけな顔・・・楽しみだな、だろ?名前」
「・・・そうだな」
知らないうちに返事もそっけなくなってしまう。
「おい名前、どうした・・・何かあったのか?」
―――流石ドラコ。
「ドラコと父上に、また例の如く・・・」
ドラコはその沈黙が何を物語っているのか察したらしく、ふんと鼻で笑った
「・・・また君に馬鹿な頼みごとをしにきた奴が来たのか―――ふんっ、名前は?」
レイ・フォードと言うとドラコは分かったと、滑稽に笑う
「馬鹿ばかりだなホグワーツも。それにポッターも・・・ククク、朝食が楽しみだ」
ドラコのそんな儚き願いも、ハリー達のにこやかな笑顔によってあっけなく崩れ落ちてしまったのだった。
「―――なんでポッター達が・・・」
ドラコは蒼白だ。
それから1週間経った頃だ。ハリーに細長くて大きな荷物が届いたのだった。全員がハリー達に注目している時だった。ロンの喚声によってドラコはさらに表情をゆがめさせた
「ニンバス2000だって!僕、触ったことさえ無いよ」
そりゃそうだろうな―――お前はなんと言ってもあのウィーズリー家だからな・・・家族がいくらなんでも多すぎる。ドラコはハリーの箒をひったくって中身を確かめた
「―――箒だ」
ドラコはさらに表情を歪ませる。悔しさと妬ましさを含んだ目でハリー達を再び睨む。
「今度こそおしまいだな、ポッター。一年生は箒を持っちゃいけないんだ」
素晴らしい負け惜しみだ、ドラコ。
親友のそんな表情に名前はぷっと吹き出しそうになった。そんな時、フリットウィック先生が名前のところへやってきた。
「おや、Mr.スネイプ。君のあの箒が気になるのかい?」
「・・・いいえ、空を飛ぶのはあまり好きでは無いので。それよりあの箒はマクゴナガル先生あたりが送ったものでしょうか?」
「おやっ君は知ってたのかね?」
まさか当たっているとは思わず、少しびっくりした顔をするとフリットウィック先生は詳しいことを名前に教えてくれた。
「・・・そうなんですか、ハリーがシーカーに・・・・・・それは嬉しいことですね。ハリーは飛行術が上手ですから」
ドラコが投げた思い出し玉を無傷で取ることが出来たのだ・・・恐らくジェームズさんの遺伝子を確実に受け継いでいるのだろう
「君は敵寮なのにそんなことを言っていいのかね?」
「面白い事をいいますね・・・寮は違えど、友達は“友達”ですよ」
すれ違った時に少し挨拶をする程度でしか話が出来ていないが、友達は友達なのだ
「フォフォフォ、流石はアリスの息子じゃのう?名前」
背後から急にぬっとダンブルドア校長がやってきた。
・・・心臓に悪い。正直、ビックリして変な声を出しそうになった
それよりも母親の名前を聞いても過剰反応しなくなった事に驚きを隠せない―――
だいぶ落ち着いたのだろうか?気持ちの整理がつき始めたのだろうか・・・
「・・・ありがとうございます。それで、ハリーはシーカーに・・・確か100年ぶりですよね」
「そうじゃのう・・・そしてすまんのう、盗み聞きなんぞしてしまって」
「いいんです、ダンブルドア校長先生ならもっといろんな事をするユニークな先生だと聞いていますから大丈夫です」
これは本当の話。父上のところへソレの報告がてらダンブルドアのことも聞いてみた時だった。色々教えてもらったが、まさかそんなユニークな校長だとは思っても見なかった
だけどそんな人こそ世の中には必要だと思う名前であった