クィディッチの試合の最中、突然ハリーの箒に異常が現れた。ハーマイオニーはスネイプ教授が犯人なのではないかと見て彼のローブを燃やし視線を外すことに成功した。名前は何故スネイプ教授がそこまでハリーを陥れようとするのか分からなかったが、授業中どれを見てもハリーに優しい態度を取った事がないので、なんとなくスネイプ教授はハリーが嫌いなのだと分かってはいた。しかし、教授ともあろう人物がそんな事をするだろうか。事件が収まっても、名前はずっとそれを考えていた。
それからハリーとロン、ハーマイオニーは3人で頻繁に出かけるようになり、取り残されたネビルと名前は必然と2人で行動するようになった。ネビルは少しのろまなところがあるので注意して歩かなければ気がつけば隣にいたはずのネビルがいない、という事もザラにあるので気をつける必要があった。だが、それ以外は特に何も問題なく平和に過ごしていた。
だが、やはり名前は相変わらずの女子人気で近頃は知らない男子生徒から嫉妬を買う事もしばしば。同性からの嫌がらせも少し増え、流石の名前も嫌気がさし始めていた。ネビルに愚痴ったところでどうしようもないので、名前はただ耐えるしかなかった。ハリー達は別件で熱中しているし、こんな下らない話しには耳も傾けてくれない。気にしない事が一番だ、とは分かってはいてもストレスは募るものだ。
最近ではマルフォイもそれに便乗してきて何かと突っかかってくるので勘弁願いたい。クリスマス休暇の出欠席を取る日、名前はどういう訳だかマルフォイに呼び出しをくらった。今までマルフォイ個人とまともに対話はした事が無かったので内心びくびくだ。
「えっと……何かな」
「クリスマスだ、そういえば、分かるよな?」
「……分からない、風習が違うから……」
「君は4歳までアメリカの孤児院にいたんだろう?なら、分かるはずだ、クリスマスがどれだけ大切な事かを」
どうしてそんなことまで知っているんだろうか。誰も知らないはずだ…。いや、知っていたとしても、ダンブルドアぐらいだろうか。まさかの言葉に名前は一歩後ずさる。
「どうして知っているんだって顔をしているね?僕が知らないはずがないだろう?カザハヤ家がある日養子を取ったって、そりゃあもう風の噂で流れてきた程だからね」
「……で、君はうちの弱みを握っているって言いたいのかい」
「別にそう言っている訳じゃない、君が何故孤児院にいたのかは不明だけど、正当なカザハヤ家の者だっていうのは確かだって言うじゃないか……母親がカザハヤなんだろ?君の母親もホグワーツに通っていたっていうじゃないか」
どうしてこうも人の領域にどかどかと土足で踏み込んでくるんだろうか、マルフォイは。少なくとも最初のうちは孤児だった事を知らなかったはずだ。ということは、後で調べ上げたということになる。全く、熱心なことだ。苛立ちを通り越してあきれてしまった。
「君の父親は誰なんだい、こればかりは父上もご存じなかったよ……」
「それを聞いて、何になるって言うんだい?おれは別に父親が誰だろうと構わない、そうだね、君と親戚じゃなければそれでいいかな」
ハリー達といるようになり、随分口達者になったような気がする。ともかく、マルフォイ相手だと名前はハリー同様ムキになるところがあった。初めは無視をすればいいと考えていたのだが、ここまで来るとそうはいかない。いつまでも馬鹿にされてちゃたまったもんじゃない。
「カザハヤ、君は随分と命知らずのようだね、マルフォイ家がどれだけ魔法界で権威があるか、君は分からない訳じゃないだろうね?」
すると、マルフォイは父上はホグワーツの理事だとか、父上に言えば君をすぐ退学にだって追いこむ事ができるなんだの好き勝手喚いた。彼が去った後、無理やり渡された一通の手紙を見つめため息を吐く。なんだ、そういうことか。
「名前、あなたはクリスマスどうするの?」
「あぁハーマイオニー……うん、家に帰るよ。うちはキリスト教でもないから別にお祝い事はしないけど、正月は必ず家にいなくちゃなんない事になってるからね……」
手元に握られた手紙を見て、ハーマイオニーは小さく笑った。
「あら、ラブレター?」
「そうだね、ある意味ラブレターなのかも…でも、相手が最悪だよ……あのマルフォイだよ」
「まぁ……相変わらずハリーとあなたに熱心ね、パーティに誘われたの?」
「そんな感じ、まぁ、行かないけどね……うちの人達、マルフォイ家嫌いなんだよ」
「あらそうだったの……なら、堂々と誘いを断れるわね」
少し前にマルフォイ家の事を手紙で書いたらあの家とは関わるな、と忠告が来たのでなるべくその通りにしている。ロンも言っていたが、それなりに有名な家は裏事情というものがある。マルフォイ家の場合は例のあの人の僕だったという裏事情なのだが、カザハヤ家は例のあの人とは一切関わってもいないし、むしろ対立している立場なのでマルフォイ家を祖父母が嫌う理由も分からない事は無い。これだけがカザハヤ家の誇れる事だろうか。
カザハヤは何処にも属さない、何にも染まらない孤高の魔法一族だ。それ故にダンブルドアの味方でもなければ、例のあの人側でもない。国で言えばスイスのような立場だろうか。日本という閉鎖された空間で生き、カザハヤの名を守り続ける。そんなカザハヤがわざわざイギリスのホグワーツに通うのは単なる伝統なのか、アジアに学校が無いためかは分からないが名前はそんな家に少し矛盾を感じていた。
「マルフォイから他になんて言われたの?」
「……家のことさ、何やら色々調べていたみたいでさ……」
「あの人らしいわね、どうしてこうもスリザリンって嫌な人達ばかりなのかしら」
「さぁ…似たような人達が集うんじゃないかな?」
「かもしれないわね」
ハーマイオニーも実家に帰るらしく、別れる間際に賢者の石について何か知っている事を教えてほしいと言われた。賢者の石って、何だろう。迎えの車の中で名前はぼんやりと考えていた。ちなみに、家族が出迎えに来てくれるはずもないので名前はカザハヤ家の家政婦である美香が運転する車の中にいる。ポートキーで実家にすぐ帰れるはずだが、今日はイギリスの魔法省に祖父の使いもあったので寄り道していくことになった。カザハヤ家の家政婦といえども血統を重んじる祖父の事だ。彼女は日本の純血の魔女であり、それなりの教養はある人物だ。今よりもっと幼い頃には彼女が名前の勉強の面全て面倒を見ていた程だ。美香は基本、最低限度の会話しか交わしてくれない。それが雇い主である祖父との契約でもあるのだが、何を言われようとも無表情で受け答えするその姿は家政婦の鏡と言えるだろう。しかし、そんな彼女に少し恐怖を感じていた。何年も一緒にいるというのに、彼女との距離は一向に縮まることはない。どうせなら屋敷僕とかのほうが楽しく過ごせたのかもしれない。
「つきました、名前様」
「……わかった、おれはどうしていればいい」
「ただ後ろについて来てくださるだけで結構です」
「……わかったよ」
別に、頼まれたのは美香なんだからおれが行く事もないだろうに。名前は内心ぶーたれながらすらっと背の高い美香の後ろに続く。日本の魔法使いは秘術を使って外見を若くさせているところがあるので美香の実年齢は不明だ。昔からいる事は知らされているが、一体何年、いや何十年とカザハヤの家政婦をやっているんだろうか。そんなことをぼんやりと考えながら名前は魔法省のエレベーターを降り、奥の部屋へ進む。
「名前様は此方でしばらくお待ちください、すぐ終わりますので」
「分かった」
待合室の椅子に腰かけ、棚にある日刊予言者新聞を手に取る。これは毎回下らない内容しか書いてないのでうちでは取っていなかった。なんでも、これの一番記者が好きになれないんだとか。そもそも、あの人達に好きな人って他にいるんだろうか、いいや、いないだろうな。所詮自分は家を守るための道具でしかない……それぐらいにしか思ってないに違いない。
待つ事10分、本当に早く事を済ませた美香はいつもの無表情で名前の元に帰ってきた。片手にぶら下げている革製のバッグからは魔法省の印がされた茶封筒がいくつか入っているのが目に入る。
「……どんな用事だったの?」
「では参りましょう」
やっぱり教えてくれないよね。名前は美香に聞こえるように大きくため息を吐き先ほどの道を戻っていく。一体祖父は美香にどんな使いを頼んだのだろうか。
ポートキーであっという間に日本に到着した。やっぱり、日本は少し魚臭いな。その国によって匂いは違うが、日本は魚食が多いためか魚臭いのである。と、それは置いといて。
「ご苦労様でした美香さん、後は」
「はい、お願いします加奈さん」
珍しく外見を変えない魔女、加奈はカザハヤの家政婦の1人。彼女は少なくとも100年くらい前からカザハヤ家にいるそうだが、もしかしたらダンブルドアと同い年くらいなのではないかと思う。
「名前様、お帰りなさい…」
「うん……」
ただいま、何だろうか。
ココは、自分がいるべき本当の場所なのだろうか。
だから名前はここでただいまを言う事は無かった。ただいまを言うには少し勇気が必要だからだ。名前にはまだそこまでの決意はできていない。
ココにいるときは昔ながらの日本のように、着物に着替えなくてはならなかった。今の日本じゃあまり見られる光景ではないが、この日本の魔法使いの集落だけは昔ながらの姿をずっと保っていた。家にパソコンなんてものは無い。そんなものが無くともどうにでもなるからだ。一応外部からの情報は新聞で得ている。日本の魔法省から外部の情報は大体知らされて来るので、それらには全く困らないのだ。
紺色の部屋着に着替えた名前はだらしなく畳に寝転ぶ。相棒の小太郎は専用の部屋で昼寝をしている頃だろうか。冬になると寒さが厳しくなるので、いくら犬でも小太郎には専用の部屋が与えられていた。住んでいる場所が東北なのもあって集落は既に真っ白い雪で覆われている。ホグワーツの雪とは違う、ずっしりと重たい雪。
クリスマスの日、家政婦の美香が名前宛てのプレゼントを運んできた。勿論この集落に外国の物を持ち込むには厳重なるチェックが必要なので、それを通過した安全なプレゼントと言えるだろう。だが、見知らぬ誰かに友人たちからのプレゼントを開けられるなんて良い気持ちはしない。仏教ではあったが、一応アメリカに住んでいたこともあるので名前は友達にプレゼントを既に送ってある。プレゼントを1つ1つ選ぶのは少し時間が足りなかったので高級和菓子セットが今頃談話室や家庭に届けられているはずだ。
「名前さん、あけましておめでとう」
「あけましておめでとうございます」
日本は先進国の中では一番最初に新年を迎える国でもある。イギリスはまだ新年を迎えていないので、友人たちにあけましておめでとうは言えないだろう。新年のあいさつは集落の中心にある巨大な屋敷で行われる。日本ではクリスマスよりも新年の方が大切な行事なのだ。この時にしか会わない親戚もいるのだが、名前は未だにカザハヤである自覚が薄いので自分から交流しに行くのはあまりしなかった。名前と同い年くらいの子供は数人いるが、ホグワーツに通っているのは名前だけだ。従姉の彩はフランスのボーバトン魔法アカデミーに通っていて、こう言う時ぐらいしか会う事が無いうちの1人だ。
「久しぶりね名前」
「……お久しぶりです彩姉さん」
「イギリスはどう?私どうもイギリスの食事は口に合わないのよね……」
「確かに……まぁ、独特ですから……」
日本食に比べれば、少し雑かもしれない。だが、それは日本食が手の込む料理なだけであって、イギリス人は何とも思っていない。日本の名家で舌の肥えた彩にとってはイギリス料理は口に合わないようだ。
「お友達はできたの?」
「はい、一応…」
「どの家の子と仲良くなったの?」
「……色々です」
この集落では近親同士の結婚は日常なので血のこだわりがどの集落よりも強いのだ。だからこの集落に住む家の者は敷居が高いだの、見栄っ張りだの引きこもりだの言われている。マルフォイはそれを分かってあの言葉を放ったのだろうか。
「詳しく教えてくれないのね」
「……彩姉さんのほうはどうなんですか」
「私の方は順調ね、女の子だけだから色々と楽だし。どうせ婚約者はこの集落の誰かなんだから、他所で男を作る必要もないしね」
自分だって、もしかするとこの人と結婚しなくてはならないかもしれないのだから他人ごとではない。彩もそれは同じで誰と結婚するかは親が全て握っているのだ。彩は黒い長髪をさらさらと揺らしながら小さく笑いその場を後にする。
彩は親戚の中では親しく話しかけて来てくれる仲なので名前は嫌いではなかったが、問題は別の親戚だった。ゴミ箱から拾ってきたどこぞの誰かさんというのは名前を指す言葉であり、心ない人達は影でそうやって名前を毛嫌いしていた。確かに名前は孤児院から拾ってきた子供だが、血液検査でも出ているように正真正銘カザハヤの子供だ。日本の魔法族の家系でカザハヤの血は一等品だ。親戚たちは日本の魔法界を牛耳るカザハヤに対する嫉妬を隠しきれずにいる。名前がペットとして犬を連れていけたのもカザハヤの権力によるものだし、現に日本の魔法省は議会制で、それぞれの集落をまとめる者が議員で、その議員をまとめる議長がカザハヤ家だったりする。いわば魔法省大臣のような存在だ。
「……名前、此方へ来なさい」
この正月の集まりで最も恐ろしい時間がやってきた。日本の魔法省のトップであるカザハヤ・ゲン、名前の祖父であるケンイチの弟との対話だった。この兄弟がそれはもう血みどろの権力争いの末、弟に議長の座を譲ったという噂が今も尚1人歩きしている。それは根も葉も無い噂でしかないことだが、実際弟に議長の席を譲るまでに色々あったに違いない。兄弟はとりわけ仲がいい訳ではないが、人々が噂をするほどでもない。多分この家が変わっているだけなのだ。
「イギリスでの生活はどうだ」
「……楽しいです」
「そうか」
別にそこまで悪い人ではないのだが、どうしても祖父と顔が被っている為身構えてしまうのだ。彼には孫もいるがどれも女性ばかりなので男子である名前に特別期待を抱いている。きっと、近い将来この人の孫と婚約を勝手に結ばれ、この人の後継者にさせられるのだろう。名前は最悪のシナリオを頭に思い浮かべ落胆する。この人達ならやりかねない、と。
「勉学は励んでおるか」
「…はい」
「頑張って学年主席になりなさい、お前はカザハヤ家の子供だ、それぐらいできて当たり前なのだから」
それはもう生活には何不自由ないが、孤児院にいた時のほうが自由気まま、ありのままの自分でいたかもしれない。今のように勉強詰めの毎日でもなかったし、自由に遊びに出かけられた。
「期待しておるからな、名前よ」
「……頑張ってご期待に添えます」
もう嫌だ、早くホグワーツに戻りたい。家に帰る度にどうしてこうもぐったりしなくてはならないのだろうか。今頃、ハーマイオニーは家族と一緒に新年を迎えるパーティをしている頃だろうか。ロンとハリーはホグワーツで新しい抜け道を発見しただろうか、ネビルはおばあさまに怒られている頃だろうか……と、ふと大切な事を思い出した。そういえばハーマイオニーが賢者の石について何か調べてきてほしいと言っていたな。
「あの……ゲンおじいさま」
「何だ」
どうしよう、目が怖い。もし、賢者の石は何ですかと質問をし、それぐらいも分からないのかと呆れられたらどうしよう。そうしたらすぐに情報は祖父へ伝達され、今年から家庭教師の数を増やされるに違いない。
「いいえ……なんでもありません」
「変な奴だ……もう下がっていいぞ、他の子供たちの所へ挨拶にでも行きなさい」
「はい」
結局祖父たちには何も聞けず、名前は家にある本を漁ることにした。本を漁るがホグワーツに出発するギリギリになっても見つからず、見つけられなかったお詫びに日本のお菓子を持っていくことにした。
美香の見送りの元、列車に乗り込むと早速ハーマイオニーと出くわした。
「新年おめでとう、クリスマスはどうだった?」
「プレゼントありがとう、大切に使わせてもらうね」
「名前がくれたあのお菓子…とっても奇麗だったわ!日本のお菓子って見た目もきれいだけれども、味も素晴らしいのね!」
ハーマイオニーはプレゼントを喜んでくれたようだ。甘い物が苦手だったらどうしようと考えていたが、好きだったようで何よりだ。ロンの家には家族の人数を事前に聞いておいたので家族分送っておいた。ちなみにロンの家からはプレゼントを届けた翌日、暖かい靴下と手袋、ロンからはカードとイギリスのお菓子のセットが送られてきた。
ホグワーツに到着すると名前は小太郎をベッドの上に呼びそこに寝かせてやった。やはり行ったり来たりと生活環境の変化が激しいと犬でも疲れるものだ。
「コタロウ、ごめんな忙しくて……」
「ワン」
「あ、おかえり名前、プレゼントありがとう!あれ、なんてお菓子だい?」
ロンとハリーがマフィンを片手にやってきた。同じ寮の女の子からお土産でもらったようだ。
「お正月の料理とか、お茶の時とかに出される餡子のお菓子だよ……甘いのは平気だったみたいだね」
「あれが届いた日大変だったよ~ママがびっくりしちゃってさ、お返しを慌てて作ってたくらいだよ」
「ははは……喜んでくれたみたいでなによりだよ、それよりも2人とも、賢者の石について家の本でも調べたんだけど何も分からなかったよ……」
「あぁ、仕方ないよ…僕達でも見つけられなかったんだから」
ハリーからお土産でもらったマフィンをおすそ分けしてもらい、それを頬張っているとネビルがやってきた。ネビルの冬休みはそれはもう散々だったようで、祖母に箒のことで散々叱られたそうな。まぁ、それだけ心配してくれているってことだから、むしろ喜ぶべきなんだろうけれども。名前はふと、自分の冬休みの出来事を思い出した。
「そういえばマルフォイ家のパーティは行ったのかい?」
「ハーマイオニーから聞いたんだね、勿論行くはずが無いだろう」
「ははは、だと思ったよ、でもさ、あいつも度胸あるよな…」
あいつとは勿論マルフォイの事だ。散々名前を貶しながらも名前をパーティに直々に招待するなんて。今頃パーティに来なかった名前に対してなんて文句を言ってやろうと作戦を練っている頃だろう。
それからしばらくして、ハリー達は賢者の石の正体を知ることが出来た。ネビルのくれたカエルチョコのおまけであるダンブルドアのカードに答えが載っていたなんて思いもしなかった。彼らが何をしようとしているのかは分からないが、とりあえず危険な事をしなければ何も問題は無い。
時折フレッドとジョージが暴れてグリフィンドールの得点を減らす事を除けば、何事も無く平和に過ごしていたある日、事件は起こってしまった。